クラウド型システム、クラウドサービスの経理処理

クラウド型システムの会計処理は悩ましい

最近、お客様から問い合わせが非常に問合せが多い質問に、
「クラウド型のシステムを導入したのだけど、その会計処理について教えてほしい」
というものです。
確かに、クラウド型システム等は、扱いが悩ましいところでもありますので、
本日は、その会計処理と税務処理をご紹介いたします。
当記事は、経理担当者向けの記事です。
経理の仕事でお悩みの方は、こちらの記事もご覧ください。

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クラウド型システムは資産なのか?費用なのか?

そもそも、クラウド型システムは、自社内にその資産を有さず、
サービス提供会社のサーバー等にデータが保管されるのが、一般的です。
そのため、自分で持ってるモノではないから、資産ではないよね?と考える方も多いと思います。
私もこの記事を書く時に、様々なHPを見ましたが、
繰延資産として計上し、利用期間に渡って費用かするとか、支出時に全額費用処理で構わない。
と様々な意見がありました。

なぜ見解が分かれるのか?
クラウド型システム、クラウドサービスの会計基準がないからです。
クラウドサービスに関する会計基準等としては「研究開発費等に係る会計基準」や
「研究開発費及びソフトウェアの会計処理に関する実務指針」がそれにあたり、
比較的新しい会計基準等になりますが、新しいと言っても平成11年に公表されたものがベースとなっています。
平成11年と言いますと、まだまだインターネットの普及もままならない時代かと思います。

そうは言っても、経理の方は会計基準や法人税法に基づいて経理は仕訳を計上し、税額を計算しなければならないので、
会計上の処理と税務上の処理をご紹介します。

前提条件

多くの質問を受ける下記のパターンで、会計上、税務上の取り扱いをご紹介します。

クラウドサービス導入の初期費用としてのカスタマイズ費用を資産計上するのか?耐用年数はどうするのか?

クラウドサービスの月額利用料については、費用処理で異論がないので、今回は割愛します。

会計上の取り扱い

「研究開発費及びソフトウェアの会計処理に関する実務指針」では、自社利用のソフトウェアを以下のように分類しています。

自社利用のソフトウェアの資産計上の検討に際しては、そのソフトウェアの利用により将来の収益獲得又は費用削減が確実であることが認められるという要件が満たされているか否かを判断する必要がある。
その結果、将来の収益獲得又は費用削減が確実と認められる場合は無形固定資産に計上し、確実であると認められない場合又は確実であるかどうか不明な場合には、費用処理する。

つまり、ソフトを使うことで、儲かるか費用削減できるのが確実な場合は資産計上します。
これだけを見ると、ひねくれた方は、「儲かるかどうかわかんねぇから、費用処理してやんよ」と考える方思います。
それなら、「儲かりもしないモノにナゼ投資をしたのですか?」となります。

(ソフトウエア導入費用の取り扱い)
購入ソフトウエアの設定等に係る費用の会計処理
外部から購入したソフトウエアについて、そのソフトウエアの導入に当たって必要とされる設定作業及び自社の仕様に合わせるために行う付随的な修正作業等の費用は、購入ソフトウエアを取得するための費用として当該ソフトウエアの取得価額に含める。

また、同実務指針では、上記のようにも定められておりますので、
通常クラウド型システムのカスタマイズ費用については、資産計上が一般的です。

耐用年数については、5年以内を原則とし、5年を超える場合には合理的な根拠が必要としています。

税務上の取り扱い

まずは、関連する法人税法基本通達をご覧ください。

(自己の製作に係るソフトウエアの取得価額等)

7-3-15の2 自己の製作に係るソフトウエアの取得価額については、令第54条第1項第2号の規定に基づき、当該ソフトウエアの製作のために要した原材料費、労務費及び経費の額並びに当該ソフトウエアを事業の用に供するために直接要した費用の額の合計額となることに留意する。
 この場合、その取得価額については適正な原価計算に基づき算定することとなるのであるが、法人が、原価の集計、配賦等につき、合理的であると認められる方法により継続して計算している場合には、これを認めるものとする。(平12年課法2-19「八」により追加)

(注) 他の者から購入したソフトウエアについて、そのソフトウエアの導入に当たって必要とされる設定作業及び自社の仕様に合わせるために行う付随的な修正作業等の費用の額は、当該ソフトウエアの取得価額に算入することに留意する。

 

(賃借資産についての改良費の耐用年数)

1-1-4 法人が使用する他人の減価償却資産(1-1-3によるものを除く。)につき支出した資本的支出の金額は、当該減価償却資産の耐用年数により償却する。
この場合において、1-1-3のただし書の取扱いを準用する。

(他人の建物に対する造作の耐用年数)

1-1-3 法人が建物を貸借し自己の用に供するため造作した場合(現に使用している用途を他の用途に変えるために造作した場合を含む。)の造作に要した金額は、当該造作が、建物についてされたときは、当該建物の耐用年数、その造作の種類、用途、使用材質等を勘案して、合理的に見積った耐用年数により、建物附属設備についてされたときは、建物附属設備の耐用年数により償却する。ただし、当該建物について賃借期間の定めがあるもの(賃借期間の更新のできないものに限る。)で、かつ、有益費の請求又は買取請求をすることができないものについては、当該賃借期間を耐用年数として償却することができる。(昭46年直法4-11「1」、平23年課法2-17「一」により改正)

カスタマイズ費用は、「他の者から購入したソフトウェア」ではなく賃借資産に相当するものと考えられます。
賃借資産について支出した資本的支出の金額は、賃借人の減価償却資産として、
当該資産の耐用年数により償却することとして取り扱われる(耐用年数取扱通達1-1-4)ことからすると、
カスタマイズ費用についても、上記の「ソフトウェアの導入に当たって必要とされる設定作業及び自社の仕様
に合わせるために行う付随的な修正作業等の費用」に該当することから、
たとえ自己の所有に係るソフトウェアでないとしても、
そのカスタマイズ費用自体をソフトウェアの取得価額として取り扱うのが相当と考えられます。

ソフトウエアについては、償却期間が5年と定められていますが、
契約期間が定められている場合は、当該期間で償却するのが妥当と考えられます。(耐用年数取扱通達1-1-3但書)

まとめ

クラウド型システムの会計・税務処理
初期投資(カスタマイズ費用)
会計 資産計上(ソフトウエア)
税務 資産計上(ソフトウエア)

耐用年数
会計 原則として5年以内
税務 5年または賃借期間

月額利用料
会計 費用
税務 費用

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