還付金と言いましても多種多様・・・
法人税・地方税・消費税の還付というのは、経理をされている方は、
日常茶飯事に経験するかと思います。
ただし、勘定科目を間違えると、期間損益計算を誤ってしまいますので、注意が必要です。
今回は、還付金の会計処理についてまとめました。
当記事は、経理担当者向けの記事です。
経理の仕事でお悩みの方は、こちらの記事もご覧ください。
目次
還付金が生じる場合
還付金が発生するバターンとしては、下記の場合があります。
- 中間申告で多く納め過ぎていた場合
中間申告は、前期の税金の金額で決まってきます。
そのため、前期儲かっていたけど、当期は赤字というような場合、中間申告で納めた税金が返ってきます。 - 申告期限の延長をしている場合で見込納付と確定金額にズレがある場合
法人税の納付・申告は、決算後2か月以内というのがルールですが、申告期限は、延長することができます。
ただし、納付を延長することはできません。
そのため、申告は終わっていないけど、とりあえず納付はしておく。ということはよくあります。(見込納付と言います)
見込納付の金額が実際に確定した金額より多かった場合、税金が返ってきます。
還付金は払い過ぎた税金と利息から成り立っている
還付金は、払い過ぎた税金の本税の部分と利息に相当する還付加算金で構成されます。
そのため、金額によっては、実際に納めた金額より多く返ってくることがあります。
還付金の会計処理
それでは、具体的に還付金の会計処理について、ご案内します。
- 決算日 3/31
- 中間申告の納付日 11/30
- 本決算の申告期限 5/31
- 本決算の税金の納付日 5/31
- 本決算の税金の還付日 7/10
中間時、決算時、還付時の仕訳

法人税申告書別表五(二)の記載方法
法人税申告書の記載方法については、下記の記事の「仮払経理による納付の具体例」をご覧ください。
還付と納付が同時に発生した場合
法人が納める税金の一つに法人住民税があります。
この法人住民税には、「法人税割」と「均等割」の二種類があります。
法人税割とは、法人税額を基準として、法人が納める税金のことを言います。
一方、均等割とは、資本金等や従業者の数によって、赤字であっても納める必要がある税金のことを言います。
法人税割と均等割は、共に法人住民税ではありますが、
決算時に法人税割のみ還付で均等割のみ納付という事態が生じる場合があります。
具体的には下記のような場合です。
「法人税割還付金額<均等割納付金額」の場合の納付書の記載方法

ご参考までに東京都の納付書の記載方法はこちらをご覧ください。
http://www.tax.metro.tokyo.jp/common/tozei_nouzei.html#L5
「法人税割還付金額>均等割納付金額」の場合、何も納付しなくてよいのか?
- 法人税割の還付金額 50,000
- 均等割の納付金額 35,000
- トータルの還付金額 15,000
このように、法人税割の還付金額が、均等割の納付金額を上回り、
トータルの税金が還付となる場合について、ご説明します。
期限内申告・納付の場合
3月末決算の会社の場合、5/31までに申告も納付もしている場合は、期限内申告・納付となります。
この場合は、均等割の納付をする必要はありません。
申告期限の延長をしている場合
3月末決算の会社の場合、申告期限を1か月延長して、6月末に申告をするという会社は、よくあると思います。
この場合でも、納付期限の延長ができないので、5月末には、税金の納付はする必要があります。
この場合、注意が必要です。
私も様々な都税・県税事務所に問合せしましたが、自治体によって対応がマチマチです。
ある自治体では、納付の必要ないです。という自治体もあれば、
均等割は納付しないと、延滞金の対象となります。という法人もあります。
あるべき処理は、均等割は納付する。です。
都税事務所のHPには下記の通りの注記があります。
http://www.tax.metro.tokyo.jp/shitsumon/tozei/index_a1.html
「事業年度終了の日から2か月を経過した日から延長期限までの期間も延滞金の対象となります。」
ほとんどの会社の場合は、1か月以内の均等割の延滞なら延滞金は1,000円未満となり、
延滞金は発生しないと思います。(延滞金は1,000円未満は切り捨て)
ただし、資本金が大きい会社は、微々たる金額ですが、延滞金が発生しますので、
資金繰りに余裕がある場合は、均等割は納付することをおススメします。
まとめ
税金の還付は、本税部分と還付加算金で成り立っています。
使用する勘定科目が異なりますので、会計処理には注意が必要です。
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