定期保険?終身保険?養老保険?全損?半損?生命保険をわかりやすく解説します

生命保険の種類と節税対策は複雑怪奇

法人で生命保険に加入すると、支払った保険料を全額費用として処理できる商品(全損)と、
半額だけ資産に計上する商品(半損)があります。
また、定期保険・終身保険・特約付き・・・耳慣れない言葉が並ぶので、混乱を極めます。
今回は、それらの保険の違いや加入のメリット・デメリットをご紹介します。

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2018年7月7日

生命保険の種類について?

生命保険には、大きく分けて3つの種類があります。それは下記のとおりです。

生命保険の種類
  • 定期保険
  • 終身保険
  • 養老保険

定期保険とは?

保険期間が一定期間に限定された死亡保険を指します。
満期を迎えても途中解約をしても満期保険金・返戻金を受けることが出来ない、いわゆる「掛け捨て」タイプ。
返戻金がないため保障される金額に対する保険料は比較的安い。

終身保険とは?

終身保険は、読んで字のごとく、保険期間中に被保険者が死亡または高度障害状態になった場合に保険金が支払われる死亡保険です。死亡保障が一生涯続くことが特徴です。保険料は定期保険に比べて割高ですが、保険料が変わらないのが特徴です。

養老保険とは?

一定の保障期間を定めたもので、満期又は被保険者の死亡によって保険金が支払われる生命保険をいいます。

定期保険と養老保険の違い

定期保険は、保険期間内の死亡時のに保険金が支払われる保険で、掛け捨てです。
養老保険は、保険期間内の死亡時、または満期時に保険金が支払われます。

定期保険は、保険期間内に死なない場合は、お金が返ってこない。
養老保険は、保険期間内に死ななくても、お金が返ってくる(満期保険金)。

終身保険と養老保険の違い

終身保険は、死亡時のに保険金が支払われる保険です。
養老保険は、保険期間内の死亡時、または満期時に保険金が支払われます。

注意点は、保険金は、死亡時のみにもらえるお金ですが、
終身保険と養老保険は、共に途中で解約した時に返ってくる解約返戻金はあります。

定期保険と終身保険の違い

定期保険は、保険期間内の死亡時のに保険金が支払われる保険で、掛け捨てです。
終身保険は、死亡時のに保険金が支払われる保険です。

共に、死亡時のみ保険金が支払われますが、定期保険は、途中で解約しても解約返戻金はありません。
一方、終身保険は、途中で解約した時は解約返戻金はあります。

保険の種類によって会計処理に違いがある(全損・半損)

上記のように、生命保険の中には、死亡時以外は保険料が一切戻ってこない、いわゆる掛け捨てタイプの商品と、
解約した時に一定の金額(返戻金(へんれいきん))が戻ってくるタイプの商品があります。
この返戻金があるタイプの商品は、保険会社に一時的にお金を預けているようなものとして、
費用として処理せず、前払保険料等で資産計上(半損)をし、解約して、保険会社から戻ってきた際に、
計上していた資産を取り崩す処理を行います。
一方、掛け捨てタイプの商品は、全額費用計上(全損)ができます。

資産計上が必要な保険は?

生命保険のうち、払った保険料を全額払った時に費用処理する保険を一般的に「全損」といいます。
一方、全損以外の商品は、「半損」と言ったりします。
全損とならない可能性がある商品は下記のとおりです。

  1. 長期平準定期保険
  2. 逓増定期保険
  3. 養老保険

長期平準定期保険とは?

その保険期間満了の時における被保険者の年齢が70歳を超え、かつ、当該保険に加入した時における被保険者の年齢に保険期間の2倍に相当する数を加えた数が105を超えるもの。
【国税庁】法人が支払う長期平準定期保険等の保険料の取扱いについて

逓増定期保険とは?

保険期間の経過により保険金額が5倍までの範囲で増加する定期保険のうち、その保険期間満了の時における被保険者の年齢が45歳を超えるものをいう。
【国税庁】法人が支払う長期平準定期保険等の保険料の取扱いについて

全損・半損・全額資産計上の違い、分れ目

下記条件を共に満たすと半損または全額資産計上になります。

長期平準定期保険は下記条件を満たすと半損
  1. 保険期間満了時の年齢が70歳を超え
  2. (保険加入年齢+保険期間×2)>105
逓増定期保険は下記条件を満たすと半損
  1. 保険期間の経過により保険金額が5倍までの範囲で増加する定期保険
  2. 保険期間満了の時における被保険者の年齢が45歳を超えるもの
養老保険は下記条件を満たすと半損or全額資産計上
  1. 死亡保険金及び生存保険金の受取人が法人の場合
    支払った保険料の額は、保険事故の発生又は保険契約の解除若しくは失効によりその保険契約が終了する時まで損金の額に算入されず、資産に計上する必要があります。
  2. 死亡保険金の受取人が被保険者の遺族で、生存保険金の受取人が法人の場合
    支払った保険料の額のうち、その2分の1に相当する金額は1.により資産に計上し、残額は期間の経過に応じて損金の額に算入します。
    ただし、役員又は部課長その他特定の使用人のみを被保険者としている場合には、その残額はそれぞれその役員又は使用人に対する給与になります【国税庁】養老保険の保険料の取扱い

資産計上した保険料はいつ取り崩すのか?

長期平準定期保険等

法人が長期平準定期保険等に加入してその保険料を支払った場合(役員又は部課長その他特定の使用人(これらの者の親族を含む。)のみを被保険者とし、死亡保険金の受取人を被保険者の遺族としているため、その保険料の額が当該役員又は使用人に対する給与となる場合を除く。)には、法人税基本通達9-3-5及び9-3-6((定期保険に係る保険料等))にかかわらず、次により取り扱うものとする。(平8年課法2-3、平20年課法2-3により改正)

(1) 次表に定める区分に応じ、それぞれ次表に定める前払期間を経過するまでの期間にあっては、各年の支払保険料の額のうち次表に定める資産計上額を前払金等として資産に計上し、残額については、一般の定期保険(法人税基本通達9-3-5の適用対象となる定期保険をいう。以下同じ。)の保険料の取扱いの例により損金の額に算入する。

区分 前払期間 資産
計上額
(1)
長定
期期
平保
準険
 保険期間満了の時における被保険者の年齢が70歳を超え、かつ、当該保険に加入した時における被保険者の年齢に保険期間の2倍に相当する数を加えた数が105を超えるもの 保険期間の開始の時から当該保険期間の60%に相当する期間 支払保険料の2分の1に相当する金額
(2)





1.保険期間満了の時における被保険者の年齢が45歳を超えるもの(2.又は3.に該当するものを除く。) 保険期間の開始の時から当該保険期間の60%に相当する期間 支払保険料の2分の1に相当する金額
2.保険期間満了の時における被保険者の年齢が70歳を超え、かつ、当該保険に加入した時における被保険者の年齢に保険期間の2倍に相当する数を加えた数が95を超えるもの(3.に該当するものを除く。) 同上 支払保険料の3分の2に相当する金額
3.保険期間満了の時における被保険者の年齢が80歳を超え、かつ、当該保険に加入した時における被保険者の年齢に保険期間の2倍に相当する数を加えた数が120を超えるもの 同上 支払保険料の4分の3に相当する金額

養老保険

保険事故の発生又は保険契約の解除若しくは失効によりその保険契約が終了する時

まとめ

生命保険の会計処理は非常に複雑です。
まずは、加入している保険がどのような商品なのか確認する必要があります。
また、保険会社によっては、「経理処理の資料」等、仕訳の参考例を用意している会社もありますので、
そのような資料を活用して、誤った会計処理をしないようにしましょう。

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