税理士が解説「扶養控除等の見直し」が届いた時の対応

税務署からの書類はビビる

税務署からの書類が届くと、何か計算が間違ったんじゃないか?とビビってしまいますよね。
人事・経理の方がよく対峙する「扶養控除等の見直し」が税務署から届いた時の対応についてご紹介します。

当記事は、経理担当者向けの記事です。
経理の仕事でお悩みの方は、こちらの記事もご覧ください。

経理はナゼすぐ辞めるのか?その理由とおススメ転職サイトの紹介

2018年8月14日

経理の仕事の魅力

2018年2月19日

経理担当者は、もっとテキトーに仕事をすべき

2018年2月3日

2019年版経理担当者に役立つサイトまとめ

2017年12月9日

扶養控除等の見直しはどういう時に来るのか?

このような書類が来て、ビビる必要はありません。
こちらは、どのような場合に来るのかご紹介したいと思います。

扶養控除等の見直しがくる場合
  1. 配偶者控除又は配偶者特別控除を行っていた配偶者(妻又は夫)の給与収入(所得)が控除適用内の金額で働くつもりであったが、実際は超えていた。(配偶者控除の場合は給与所得103万円以内)
  2. 扶養控除を行っていた子供達がアルバイトで働いており控除適用内の金額で働くつもりであったが、実際は超えていた。(扶養控除適用の場合は給与所得103万円以内)

つまり、嫁や子供があまり稼がないと思って、旦那が配偶者控除や扶養控除を適用して、年末調整をしていたが、
実際は嫁や子供が稼いでいて、配偶者控除や扶養控除が適用できませんよ。という場合にこの書類が届きます。

配偶者控除については、下記の記事をご覧ください。

2018年 嫁はいくらまで稼げるのか?税理士が配偶者控除を解説

2018年3月16日

扶養控除等の見直しが届いたらどうするか?

この書類は税務署が、嫁や子供が儲けすぎという事実を把握して、発行してますので、
事実でないのに送っているということはあり得ません。
これを受け取った人事や経理の方は、下記の対応をする必要があります。

従業員本人に家族の所得状況を確認する

「扶養控除等の見直しについて」には是正対象の従業員とその扶養家族の名前が書いてありますので、
本人から提出を受けた扶養控除申告書と源泉徴収票を確認して、会社の年末調整に誤りがないか確認します。
扶養控除申告書通りに源泉徴収票が作成されている場合、扶養控除申告書に誤りがあるということになります。
その場合は、本人に是正対象の家族について、所得を超えていないか確認します。

従業員本人が拒否をする場合

国家権力に果敢に立ち向かう人よくいますw
そういう職員には、税務署からの通知を提示し、奥様やお子様の所得の証明書(源泉徴収票等)を提出するように依頼してください。
「このままだと脱税ですよ」とチラつかせてください。
税務署は、奥様やお子様の職場からの給与支払報告書等で所得の状況を把握していますので、
税務署が間違っているということはまずあり得ません。

年末調整をやり直す

見直しの対象となった配偶者・扶養家族の所得がわかったら、次は年末調整をやり直します。
今回の見直しで扶養控除が変更になりますので、変更になった配偶者控除、扶養控除で年末調整を再計算します。
税額を再計算した結果、不足額があることがわかったら、その旨を「扶養控除等の見直しについて」に同封されていた回答書に記載し、税務署に提出します。

不足額を納付

扶養控除等の見直しでわかった税金の不足額は、納付します。
通常は納付書も同封されています。(ピンクの紙)
会社が立て替えて、あとで給与から天引きしたり、本人から不足分を受け取って納付したりする方法が考えられます。
いずれにしても、個人に帰属する税金ですので、最終的には会社負担とせず、従業員本人に負担させます。
また、本人の代わりに会社が納付すると、その納付分は従業員本人が支払う分を支払わなくてもよいということになり、本人が利益を享受したとして、給与とみなされます。

扶養控除等の見直しを税務署へ返送する

不足額の納付が終わったら、扶養控除等の見直しを税務署へ返送します。
書き方は、「見直しにより追加納付する税額」欄に、不足分として納付した金額を記載し、税務署に送ればOKです。

訂正した法定調書を作成し、税務署へ提出する

法定調書合計表(と、対象者の支払金額が500万円以上なら源泉徴収票)を訂正分として作成し、
税務署へ提出します。
https://www.nta.go.jp/law/shitsugi/hotei/1/06.htm

法定調書合計表とは

年間給与の源泉徴収票や報酬の支払調書は法定調書と呼ばれ、その支払いをする側で税務署への提出が義務付けられています。
その金額を合計し集約したものが法定調書合計表となります。
https://www.nta.go.jp/law/tsutatsu/kobetsu/hotei/000601/pdf/07-2.pdf

給与支払報告書を再提出する

配偶者控除、扶養控除の変更により、住民税額にも変更が発生します。
そこで、誤った給与支払報告書を送付した市区町村宛に、再計算後の正しい給与支払報告書を提出します。
市区町村が住民税額の再計算を行い、住民税額の変更通知が特別徴収の場合は会社へ、
普通徴収の場合は社員の自宅へ納付書が送付されます。

給与支払報告書とは

給与支払報告書は、住民税を計算するために、従業員が住んでいる自治体に、雇い主である会社が、
従業員の前年1年分の所得の状況を報告する書類です。

修正の指摘を受けた社員が退職している場合

通知書に記載されている社員が退職している場合には、「扶養控除等の是正結果回答書」の摘要欄に、退職日を記載し、
退職の事実を確認できる書類を添付して税務署に返送します。

加算税や延滞金は?

経理の方は、この書類が届くと、
自分が年末調整をミスしたんじゃないか?
延滞金が発生するんじゃないか?
と不安になります。
結論から言うと、お知らせが届き、お知らせに記載の期限内に回答、納付すれば加算税や延滞金は発生しません。

まとめ

扶養控除等見直しは、どの会社でもよくある事案です。
期限内に対応すれば、延滞金等も発生しませんので、
当ブログに記載されている手続きを滞りなく実行してください。
怖がる必要は一切ありません。

にほんブログ村 士業ブログ 公認会計士へ
にほんブログ村

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です