【動画解説アリ】2022年初詣の会計処理 勘定科目?消費税?

初穂料
初穂料

初穂料・玉串料・お祓い・ご祈祷の勘定科目と消費税まとめ

一月に会社で初詣に行くことはよくあると思います。
その際にご祈祷をしてもらうことありますよね?
「株式会社○○、商売繁盛」といった形で。
その際のご祈祷の代金の勘定科目ってどうするかご存知ですか?
雑費?寄付金?そして、消費税はかかるの?
今回は、初詣だけではなく、お守りや熊手の購入まで、根拠条文を交えてまとめて解説します。

YouTubeでも解説しておりますので、良かったらご覧ください。

当記事は、経理担当者向けの記事です。
経理の仕事でお悩みの方は、こちらの記事もご覧ください。

初穂料・玉串料・お布施の違い

会計の話ではないですが、自身の勉強のためにもまとめました笑

  • 初穂料(はつほりょう)
    初穂とは、収穫と豊作を神様に感謝するためにお供えする際の農作物や魚類のことを言います。
    初穂は神様にお供えし感謝の気持ちを表すのですが、生産者以外の方は初穂は手に入りません。
    そこで初穂の代わりとして「お金」が神様にお供えされるようになりました。
    また初穂そのものも「神様にお供えするもの」という意味合いが強くなり、
    神前にお供えする金銭を「初穂料」と呼ぶようになりました。
  • 玉串料(たまぐしりょう)
    玉串とは、神道の神事において参拝者や神職が神前に捧げる紙垂(しで)や木綿(ゆう)をつけた榊の枝である。
    神社に祈祷を依頼する際に納める金銭のことを、「初穂料」のほか「玉串料」と書くこともある。
    初穂料はお礼やお守りなどを受ける際の金銭にも使うが、玉串料は玉串の代わりに納める金銭という意味であるので、祈祷の依頼の際にのみ使う。また、神葬祭の不祝儀袋の表書きも玉串料(または御榊料)と書く。
  • お布施
    お布施は、上記の玉串料等が神社に対する奉納に対し、お布施は寺院に対する奉納に使います。

ちなみに、初穂料は、神社での葬祭には使わないので、その際は玉串料を使ってください。

勘定科目は?

では、寺社仏閣に対する支出がどのような勘定科目になるのか検討しましょう。

初穂料やご祈祷の際の費用は、法人税法や消費税法では、喜んで捨てる金と書いて「喜捨金」と呼んでいます。
喜捨の「捨」は「すてる」ではなく、「ほどこす」の意味だそうです。

この喜捨金は、寄付として認識されています。

消費税法の質疑応答事例にも下記の通り記載されています。

お布施、戒名料、玉串料等の葬儀、法要等に伴う収入は、宗教活動に伴う実質的な喜捨金と認識されているものですから、課税の対象とはなりません。

また、法人税法のタックスアンサーにも下記の通り記載されています。

次のような事業に直接関係のない者に対する金銭贈与は、原則として寄附金になります。

(1) 社会事業団体、政治団体に対する拠金

(2) 神社の祭礼等の寄贈金

勘定科目は?
初穂料等については、「寄付金」です。

消費税は?

消費税のタックスアンサーに不課税の具体例として、寄付金が挙げられております。

消費税は、国内において事業者が事業として対価を得て行う資産の譲渡や貸付け、役務の提供が課税の対象となります。
したがって、次のような取引は、課税の対象となりません。

(2) 寄附金、祝金、見舞金、補助金等・・・・一般的に対価として支払われるものではないからです。

消費税は?
初穂料等については、「不課税」です。

お守り・お札・おみくじは?

初穂料やご祈祷は、対価性のない取引ですので、消費税が不課税なのはわかります。
では、お守りやお札をもらった場合は、実際にモノを受け取ってますので、消費税がかかるのでしょうか?
そちらの答えが法人税法の基本通達に記載されています。

法人税法基本通達15-1-10

(宗教法人、学校法人等の物品販売)

15-1-10 宗教法人、学校法人等が行う物品の販売が令第5条第1項第1号《物品販売業》の物品販売業に該当するかどうかについては、次に掲げる場合には、それぞれ次による。(昭56年直法2-16「七」により改正)

(1) 宗教法人におけるお守り、お札、おみくじ等の販売のように、その売価と仕入原価との関係からみてその差額が通常の物品販売業における売買利潤ではなく実質は喜捨金と認められる場合のその販売は、物品販売業に該当しないものとする。ただし、宗教法人以外の者が、一般の物品販売業として販売できる性質を有するもの(例えば、絵葉書、写真帳、暦、線香、ろうそく、供花等)をこれらの一般の物品販売業者とおおむね同様の価格で参詣人等に販売している場合のその販売は、物品販売業に該当する。

つまり、寺社仏閣(宗教法人)で購入したお守り・お札・おみくじ等は、喜捨金(寄付金)に該当しますので、
会計処理上も寄付金(不課税)で処理します。

熊手、高島暦、だるま、招き猫は?

では、神社の参道で売っている熊手、高島暦、だるま、招き猫は同様に寄付金(不課税)で良いでしょうか?
答えはNOです。
上記の法人税法基本通達15-1-10のただし書きにこう書いてあります。

ただし、宗教法人以外の者が、一般の物品販売業として販売できる性質を有するもの(例えば、絵葉書、写真帳、暦、線香、ろうそく、供花等)をこれらの一般の物品販売業者とおおむね同様の価格で参詣人等に販売している場合のその販売は、物品販売業に該当する。

参道の屋台のお兄ちゃんは、宗教法人ではないので、熊手等は、雑費or消耗品費(消費税課税)で処理します。
ベビーカステラやたこ焼きも同様ですw

熊手は?
熊手は寄付金ではありません。消費税もかかります。

まとめ

  • 初詣の費用(寺社仏閣に対するもの)
    寄付金(消費税不課税)
  • 参道で払ったもの(寺社仏閣以外に対するもの)
    雑費等(消費税課税)

初詣の費用は年に一回の処理ですので、忘れがちですよね。
そういう時は、当サイトをご参照いただければ幸いです。

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3件のコメント

二つ質問があります。

1.学校法人認定こども園で市からもらえる施設型給付費というのは非課税か不課税かどちらでしょうか?
不課税とすれば特定収入か特定収入以外の収入のいづれでしょうか?

2.特定収入の説明で 『法令等において非課税収入にのみ使用される課税支出等に充てられることが明らかな特定収入』を特定収入使途非課税というのがありましたが非課税収入にのみ使用されるという意味がいまいち理解できません。
具体例でわかりやすく説明していただけませんか?

「喜捨」は「喜んで捨てる」ではなく、「喜んで捨(ほどこ)す」です。
「捨す」は「施す」と同じ意味ですね。

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