中間申告不要という根拠条文について 法人税・地方税・消費税まとめ

法人税・地方税・消費税の中間申告は不要です。

会社の経理をやっていると、1事業年度の半分を過ぎると、「中間申告のお知らせ」が届きます。
初めての経理だと、「え?また決算しなきゃいけないの?」とアタフタするかと思います。
結論から申しますと、原則として「中間申告は申告書の提出は不要です
ただし、納付(税務署にお金を納める事)は必要です。
申告が不要というのは、各種税理士ブログで書いてあるのですが、
経理の方が「ブログに書いてあったので、申告しませんでした」と言うと、
経理部長にぶっ飛ばされますので、中間申告が不要となる理由について、
税理士が根拠となる条文を交えて詳しく解説します。

当記事は、経理担当者向けの記事です。
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法人税中間申告の根拠

法人税の中間申告については、下記の通り、法人税法第71条に記載されています。
とても読みにくいので、()以外を赤字にしました。要点を纏めるとこうです。

  1. 6か月を経過したら、2か月以内に申告書を出す。
  2. ただし、法人税の額が10万円以下の場合は提出不要
  3. 中間申告の金額は、前期の法人税額*6/12

(中間申告)
第七十一条 内国法人である普通法人(清算中のものを除く。次条及び第七十二条第一項(仮決算をした場合の中間申告書の記載事項等)において同じ。)は、その事業年度(新たに設立された内国法人である普通法人のうち適格合併(被合併法人の全てが収益事業を行つていない公益法人等であるものを除く。次項及び第三項において同じ。)により設立されたもの以外のものの設立後最初の事業年度、公益法人等(収益事業を行つていないものに限る。)が普通法人に該当することとなつた場合のその該当することとなつた日の属する事業年度及び連結子法人が第四条の五第一項又は第二項(第四号及び第五号に係る部分に限る。)(連結納税の承認の取消し等)の規定により第四条の二(連結納税義務者)の承認を取り消された場合(第十五条の二第一項(連結事業年度の意義)に規定する連結親法人事業年度開始の日に当該承認を取り消された場合を除く。)のその取り消された日の前日の属する事業年度を除く。第七十二条第一項において同じ。)が六月を超える場合には、当該事業年度開始の日以後六月を経過した日から二月以内に、税務署長に対し、次に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない。ただし、第一号に掲げる金額が十万円以下である場合又は当該金額がない場合は、当該申告書を提出することを要しない。

一 当該事業年度の前事業年度の確定申告書に記載すべき第七十四条第一項第二号(確定申告)※1に掲げる金額で当該事業年度開始の日以後六月を経過した日の前日までに確定したものを当該前事業年度の月数で除し、これに六を乗じて計算した金額(当該前事業年度の期間が連結事業年度に該当する場合には、当該連結事業年度のその普通法人に係る連結法人税個別帰属支払額(各連結事業年度の連結所得に対する法人税の負担額としてその普通法人に帰せられる金額として第八十一条の十八第一項(連結法人税の個別帰属額の計算)の規定により計算される金額をいう。次項第一号において同じ。)で当該事業年度開始の日以後六月を経過した日の前日までに確定した当該連結事業年度の連結確定申告書に記載すべき第八十一条の二十二第一項第二号(連結確定申告)に掲げる金額に係るものを当該事業年度開始の日の前日の属する当該普通法人の連結事業年度の月数で除し、これに六を乗じて計算した金額)

※1
第七十四条 内国法人は、各事業年度終了の日の翌日から二月以内に、税務署長に対し、確定した決算に基づき次に掲げる事項を記載した申告書を提出しなければならない。
一 当該事業年度の課税標準である所得の金額又は欠損金額
二 前号に掲げる所得の金額につき前節(税額の計算)の規定を適用して計算した法人税の額

法人税中間申告が不要の根拠

法人税の中間申告の概要は分かりました。
では、法人税の中間申告が不要という根拠を条文を交えて解説します。
具体的な記載は、法人税法第73条にあります。

下記の通り、中間申告がされなかった場合は、中間申告の金額(前期法人税額の6/12)で申告があったとみなされます。

(中間申告書の提出がない場合の特例)
第七十三条 中間申告書を提出すべき内国法人である普通法人がその中間申告書をその提出期限までに提出しなかつた場合には、その普通法人については、その提出期限において、税務署長に対し第七十一条第一項各号(前期の実績による中間申告書の記載事項)に掲げる事項を記載した中間申告書の提出があつたものとみなして、この法律の規定を適用する。

地方税(住民税)中間申告の根拠

法人税法と同様に地方税にも中間申告不要の規定があります。
まずは、道府県民税の中間申告の根拠を条文で追います。
地方税法第53条に規定があります。
例によって、()ばかりで見づらいので、大事な個所を赤字で記しました。
地方税法では、中間申告を行う法人を「予定申告法人」と定めています。
なお、市町村民税についても、同様の規定がございますが、ほぼ同じ条文です。
地方税法第321条の8に市町村民税の中間申告について規定されておます。

第五十三条
法人税法第七十一条第一項(同法第七十二条第一項の規定が適用される場合を含む。以下この節において同じ。)、第七十四条第一項、第八十八条(同法第百四十五条の五において準用する場合を含む。以下この項において同じ。)、第八十九条(同法第百四十五条の五において準用する場合を含む。)、第百四十四条の三第一項(同法第百四十四条の四第一項の規定が適用される場合を含む。以下この節において同じ。)又は第百四十四条の六第一項の規定によつて法人税に係る申告書を提出する義務がある法人は、当該申告書の提出期限までに、総務省令で定める様式によつて、当該申告書に係る法人税額、これを課税標準として算定した法人税割額(同法第七十一条第一項(同法第七十二条第一項の規定が適用される場合を除く。)、第八十八条又は第百四十四条の三第一項(同法第百四十四条の四第一項の規定が適用される場合を除く。)の規定によつて法人税に係る申告書を提出する義務がある法人(以下この条及び第五十七条第一項において「予定申告法人」という。)にあつては、前事業年度(連結事業年度に該当する期間を除く。)の法人税割額を基準として政令で定めるところにより計算した法人税割額又は当該事業年度開始の日の前日の属する連結事業年度の法人税割額を基準として政令で定めるところにより計算した法人税割額(第五十五条第一項において「予定申告に係る法人税割額」という。))、同法第七十一条第一項、第七十四条第一項、第百四十四条の三第一項又は第百四十四条の六第一項の規定によつて法人税に係る申告書を提出する義務がある法人にあつては均等割額その他必要な事項を記載した申告書(以下この項において「法人の道府県民税の申告書」という。)をその法人税額の課税標準の算定期間(同法第七十一条第一項、第八十八条又は第百四十四条の三第一項の申告書に係る法人税額にあつては、当該事業年度(連結事業年度に該当する期間を除く。以下この節において同じ。)の開始の日から六月の期間とする。以下法人の道府県民税について同じ。)中において有する事務所、事業所又は寮等所在地の道府県知事に提出し、及びその申告した道府県民税額(当該道府県民税額について既に納付すべきことが確定しているものがある場合においては、これを控除した額)を納付しなければならない。この場合において、同法第七十一条第一項又は第百四十四条の三第一項の規定によつて法人税に係る申告書を提出する義務がある法人が、法人の道府県民税の申告書をその提出期限までに提出しなかつたときは、第三十七項の規定の適用がある場合を除き、当該申告書の提出期限において、当該道府県知事に対し、政令で定めるところにより計算した法人税割額及び均等割額を記載した当該申告書の提出があつたものとみなし当該法人は、当該申告納付すべき期限内にその提出があつたものとみなされる申告書に係る道府県民税に相当する税額の道府県民税を事務所、事業所又は寮等所在の道府県に納付しなければならない。

青字の政令で定めるところにより計算した法人税割額は、下記の条文に記載がございます。
地方税法施行令第8条の6

(法第五十三条第一項前段の法人税割額)
第八条の六
法第五十三条第一項前段に規定する前事業年度(連結事業年度に該当する期間を除く。)の法人税割額を基準として政令で定めるところにより計算した法人税割額(以下この条において「予定申告に係る法人税割額」という。)は、同項に規定する予定申告法人(以下この条において「予定申告法人」という。)の当該道府県民税の申告書に係る事業年度(連結事業年度に該当する期間を除く。以下この節において同じ。)開始の日から六月を経過した日の前日までに前事業年度分として納付した法人税割額及び納付すべきことが確定した法人税割額の合計額(これらの法人税割顆の課税標準となる法人税額のうちに租税特別措置法第四十二条の五第五項、第四十二条の六第十二項、第四十二条の九第四項、第四十二条の十二の三第五項、第六十二条第一項、第六十二条の三第一項若しくは第八項又は第六十三条第一項の規定により加算された金額がある場合には、当該加算された金額にこれらの法人税割額に係る法人税割の税率を乗じて得た額を控除した額)に六を乗じて得た金額を前事業年度の月数で除して得た金額とする。

地方税(住民税)中間申告が不要の根拠

こちらは、上記地方税法第53条に規定があります。
上記53条を一部抜粋します。

第五十三条
~略~
この場合において、同法第七十一条第一項又は第百四十四条の三第一項の規定によつて法人税に係る申告書を提出する義務がある法人が、法人の道府県民税の申告書をその提出期限までに提出しなかつたときは、第三十七項の規定の適用がある場合を除き、当該申告書の提出期限において、当該道府県知事に対し、政令で定めるところにより計算した法人税割額及び均等割額を記載した当該申告書の提出があつたものとみなし当該法人は、当該申告納付すべき期限内にその提出があつたものとみなされる申告書に係る道府県民税に相当する税額の道府県民税を事務所、事業所又は寮等所在の道府県に納付しなければならない。

地方税(事業税)中間申告の根拠

住民税同様に、事業税についても規定があります。
条文は、地方税法第72条の26です。
例によって、必要なところだけを太字にします。

(事業年度の期間が六月を超える法人の中間申告納付)
第七十二条の二十六
事業を行う法人は、事業年度(新たに設立された内国法人のうち適格合併(被合併法人の全てが収益事業を行つていない第七十二条の五第一項各号に掲げる法人であるものを除く。次項及び第三項において同じ。)により設立されたもの以外のものの設立後最初の事業年度、同条第一項各号に掲げる法人(収益事業を行つていないものに限る。)が同項各号に掲げる法人以外の法人に該当することとなつた場合のその該当することとなつた日の属する事業年度又は恒久的施設を有しない外国法人が恒久的施設を有することとなつた場合のその有することとなつた日の属する事業年度を除く。)が六月を超える場合には、当該事業年度の開始の日から六月を経過した日の前日までに当該事業年度の前事業年度の事業税として納付した税額及び納付すべきことが確定した税額の合計額を当該事業年度の前事業年度の月数で除して得た額の六倍の額に相当する額の事業税(以下この条において「予定申告に係る事業税額」という。)を当該事業年度開始の日から六月を経過した日から二月以内に、事務所又は事業所所在の道府県に申告納付しなければならない。ただし、当該法人(連結法人のうち所得割を申告納付すべきものを除く。)は、当該事業年度開始の日から六月の期間を一事業年度とみなして第七十二条の十二、第七十二条の十四から第七十二条の二十四の三まで、第七十二条の二十四の五又は第七十二条の二十四の六の規定により当該期間の付加価値額、資本金等の額、所得又は収入金額を計算した場合には、当該付加価値額、資本金等の額、所得又は収入金額を課税標準として算定した事業税額が予定申告に係る事業税額を超えないときに限り、当該付加価値額、資本金等の額、所得又は収入金額を課税標準として算定した事業税額を申告納付することができる。

地方税(事業税)中間申告が不要の根拠

事業税の中間申告が不要な根拠は、下記の条文です。
地方税法第72条の26第5項

(事業年度の期間が六月を超える法人の中間申告納付)
第七十二条の二十六

5 第一項に規定する法人(第八項本文の規定の適用を受けるものを除く。)が同項に規定する期間内に申告納付しなかつた場合には、当該法人については、当該期間を経過した時において、事務所又は事業所所在地の道府県知事に対し同項本文の規定により提出すべき申告書の提出があつたものとみなす。この場合においては、当該法人は、当該申告納付すべき期限内に、その提出があつたものとみなされる申告書に係る事業税に相当する税額の事業税を事務所又は事業所所在の道府県に納付しなければならない。

消費税中間申告の根拠

消費税については、中間申告が年1回、3回、11回と3パターン分かれています。
消費税については、条文が長くなるので割愛しますが、国税庁の下記リンク先に消費税の中間申告の方法が記載されています。

中間申告の方法

消費税中間申告が不要の根拠

消費税の中間申告が不要な根拠は、下記の条文です。
(中間申告書の提出がない場合の特例)
第四十四条
中間申告書を提出すべき事業者がその中間申告書をその提出期限までに提出しなかつた場合(第四十二条第十一項の規定の適用を受ける場合を除く。)には、その事業者については、その提出期限において、税務署長に同条第一項各号、第四項各号又は第六項各号に掲げる事項を記載した中間申告書の提出があつたものとみなす。

納付は必要

さて、今までで中間申告の申告が不要であることは分かりました。
ということは、何もしなくても良いのか?というとそうではありません。
納付は必要です。

申告書を記載して税務署や都税事務所等へ提出することは不要ですが、
中間申告の税金を納める事は必要となります。

まとめ

さて、各種税目ごとに中間申告の根拠となる条文と中間申告が不要となる根拠の条文を挙げてまいりました。
経理業務をやっていると、ルーティン化して、前任の担当者の業務をそのまま引き継ぎガチになりますが、
今一度自分の手で中間申告について、学習するきっかけに当ブログがなれば幸いです。

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